生ハムとプラハパウダー


私も友人から教えてもらうまで気にもしていませんでしたが、国内で流通している生ハムやサラミ等には発色剤として「亜硝酸塩」が添加されています。亜硝酸塩は2g摂取すると死に至ると言われる程の劇物であり、「発がん性物質なのではないか」として敬遠する人もいるようですが、致死率の高いボツリヌス菌を殺菌する効果があるので、非加熱の豚肉を安全に食べる為に必須なケミカルとして添加されています(もともと天然の岩塩に含有されている物質ですので)。


その亜硝酸塩を安全なレベルまで塩で割った「プラハパウダー」という商品がAmazonで購入できます。写真はプラハパウダーを擦り込んで一ヶ月寝かしたSPF豚の肩ロース。味見してみると一ヶ月ではまだ水分量が多く、生ハムよりも生肉に近い質感。試しに厚切りで焼いてみたら結構美味しかったので、すっかり全部食べてしまいました。自家製生ハムの味は当然ながらプロシュートやハモンセラーノには到底及びませんでしたが、経験として一度は試す価値有りです。何ヶ月も待てない派の私は購入して食べる派に戻りましたが、興味のある方は是非「自己責任」でトライしてみてください。


追記: 2016 11/26

プラハパウダーのメーカー推奨の分量は「肉約11.3kgにつき約28.3g」となっており、計算がややこしいかなと。1kgあたり約2.504gのプラハパウダーを擦り込むことになります。ちょっと面倒かもしれませんが「肉のグラム x 0.0025」を計算するとプラハパウダーの分量が割り出せます。私がたまに仕込むパンチェッタ(加熱用)を例にして書いてみます。

豚バラ 1200g プラハパウダー3g 粗塩48g

ざっくりと塩分濃度は4%で一ヶ月間熟成させると、ギリギリ塩抜きしなくてもいいかなという塩味になります。5%で一ヶ月間熟成させると結構しょっぱいので調理をする前に塩抜きをしておくか、小さくカットして少量使用するといったかたちになります。熟成の進み具合によって旨味が強くなると塩味が穏やかに感じらるようになるので、長期熟成を狙う場合は防腐の為にも5%以上は擦り込んだ方がいいでしょう。加熱用パンチェッタ作りはハードルが低いので、未経験の方には入り口として良いかもしれません。

肉 : プラハパウダー
11300g : 28.3g
1000g : 2.5g
1g : 0.0025g


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