以前「ペペロンチーノについてのあれこれ」という記事の中でニンニクを100度以下のオイルで仕上げるというような仕込み方を紹介しましたが、今回はもうちょっと詳しくそれについて話してみようかと思います。
ニンニクは生だと刺激的な辛みを持ち、加熱しすぎると苦くなります。古典的なペペロンチーノのレシピでは冷たい油からじっくりと弱火でそれを加熱するという形式をとるのも、その刺激的な辛みと焦げた苦みを避けているからだと思います。
更にニンニクは低温で加熱すると「DATS」、「アホエン」等の化合物が生成されるらしく、DATSには「強いがん細胞増殖抑制活性」が期待できるそうです。100度以上で壊れてしまうアホエンの効能をwikipediaから引用すると以下のようになっています。
「研究により、医療用途に適用が可能と考えられる様々な性質を持つことが示されている[2][3][4]。例えばスーパーオキシドアニオン[5]や一酸化窒素[6]の発生を抑え、抗酸化剤として働くことが知られている。抗血栓剤(抗凝固剤)としての作用も持ち[7][8]、血液中の血小板が血栓を起こすのを防ぐことにより、心臓病や脳梗塞の危険性を減らすとされる。また、広範な適用範囲を持つ抗菌剤(抗細菌剤・抗真菌剤)でもあり[9][10]、カンジダ症(カンジダ属を原因菌とする皮膚感染症)の予防や水虫の治療に役立つとされる[11]。 水虫への適用ではテルビナフィンと比較して遜色のない報告もある[12]。 微小管の細胞骨格に作用することによって腫瘍細胞の増殖を抑えることも示されている」 アホエン - Wikipedia
私としては健康を目的としてニンニクを用いている訳ではありませんが、湯煎等でそれを100度を越えないように調理するのはどうやら体の為にも良さそうです。この方法ではまず焦げる心配がほぼ無いので、別の作業が進められるのも良い点ではないでしょうか。応用として、干したエビやポルチーニなどの乾物を同じ方法で仕込むと、お湯で戻したりするよりも香り高いように思います。ぜひ色々試してみて下さい。
最後に約400万回再生されている、ニンニクの皮を剥く裏技の動画をご紹介しておきます。5年前ぐらいに初めて見て、その当時すぐに試し、それ以来大量にニンニクを剥く必要が有る時にこの技を活用しております。ニンニクの醤油漬けなどを仕込む時に最適です。説明は英語ですが、作業はいたってシンプルですので映像を見るだけでコツが解ると思います。