どのような料理でも同じことですが、本場アルゼンチンでもチミチュリのレシピは作り手によって様々です。それでも必ず入るお決まりの材料は以下の通りになります。
イタリアンパセリ
オレガノ
唐辛子
ワインビネガー
オリーブオイル
塩
それでは実際にプロのレシピを見てみましょう。今回もいつもながら材料が最小限に絞られているシンプルなものをピックアップしました。アルゼンチンで最も有名なシェフ、フランシス氏(FRANCIS MALLMAN)によるチミチュリのレシピは以下のようになっております。アメリカ式の計量はややこしいので、全体のバランス感だけを覚えておくとよいでしょう。「水 4: ビネガー 1: オイル: 2」
① 1カップの水を火にかけ、沸騰したら粗塩大さじ1を加える
② お湯と塩をしっかり混ぜて溶かしてから冷ます
③ 分量のにんにく、イタリアンパセリ、オレガノを細かく刻む
④ 材料全てをボールに入れ、撹拌する。
水 1カップ
粗塩 大さじ1
にんにく 1株
イタリアンパセリ 1カップ
オレガノ 1カップ
乾燥唐辛子 荒粒 小さじ2
赤ワインビネガー 1/4カップ
EXVオリーブオイル 1/2カップ
※アメリカ式 1カップ=236.58ml 大さじ1=14.78ml 小さじ1=4.93ml
原文を引用しておきます。
1 cup water
1 tbs. coarse salt
1 head garlic, separated into cloves and peeled
1 cup packed fresh flat-leaf parsley leaves
1 cup fresh oregano leaves
2 tsp. crushed red- pepper flakes
1/4 cup red-wine vinegar
1/2 cup extra-virgin olive oil
NYMAG.com Fresh Oregano
フランシス氏はテレビやNetFlix出演なども積極的におこなうメディアにあかるい
方であり、このCBSの番組内、0:39辺りで実際にチミチュリ作りが行われています。出版にも意欲的のようで、国内でも本が流通しています。
彼は恐らくアルゼンチンで最も有名なシェフの一人だろう。
彼の料理のスタイルはアルゼンチン料理をベースにしているが、何より特徴的なのが自然の火にこだわった調理法だ。
フランスでポール・ボキューズに師事した事もあり、決して奇をてらっただけの調理法ではない。
"彼以上にグリルが上手い人はいない"、"彼は煙と炭の達人だ"といった声もあるほど。
ちなみに彼のレストランはラテン・アメリカのベストレストラン・ランキング50で37位にランクインしている。
CHEF'S LIBRARY ON FIRE (アルゼンチン・メンドーサ)
さて、プロのレシピはいかがでしたか。私が初めてこのレシピを発見した時、水の分量が多すぎるのではないかと考えました。しかし、実際にレシピに沿って作ってみると、この分量の水を入れることによってビネガーの酸の尖りが和らぎ、グリルで厚い肉を調理する際に、焼き上がる手前でそのチミチュリを塗ることによって、肉の表面の乾きが緩和されることが解りました。
最後に、国内ではイタリアンパセリが安く手に入りにくく、スーパーの棚に並んでいない時もあるので、フランシス氏のレシピに沿いつつ、身近なカーリーパセリで代用する方法を記しておこうかと思います。自家栽培しているオレガノの香りが凄く強かったので、今回は分量を加減しております。
①カーリーパセリの葉は歯触りがかたいので、熱湯にくぐらせてから(10秒以内)氷水にとり、冷えたら水分を絞り、清潔な布かキッチンペーパーでさらに水分を拭き取る。
②にんにくは縦半分に切ってから芯を抜き、にんにくの断面をボールにこすりつけた後、後味を良くする為に熱湯で1分50秒茹でる(最弱火)
③パセリ、オレガノ、にんにくをみじん切りにし、全ての材料をボールに入れて撹拌する。